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さぁさぁと背中を押されて奥に連れていかれ、古い……今にも壊れそうな本棚の上から二番目の赤い背表紙の本を引っ張ると、隠し扉になっていたらしく、違う部屋に入った。
「出る時はこの青い背表紙を引っ張ってください。さて、お昼ご飯を取りに行きましょか」
「どこに……」
「そうですねぇ……この部屋にある本の中で、目に止まった本を一冊手に取ってください」
昼飯に本かよと突っ込みたくなったが、何を言っても無駄だろうと、目に止まった白い皮の表紙の本を手に取り渡す。
「ほぉ。いいですねぇ、暑い日にピッタリです」
そう言って本を扇子で叩くと、パラパラパラパラとページ捲れ、「行きますよ」と手を掴まれたと思ったら、何かに引っ張られるような感覚と共に視界が揺れる。
一瞬、頭がふらっとしたが、今、目の前に見えているのは真っ白な雪景色。
「どうなってるんだよ……」
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