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夢ならできるはず……と、構えをカッコよくとって後悔する。
「無理!無理無理無理無理!」
「えー!僕、戦うのは面倒なんですよねぇ。お腹空いて力が入りません。ふぁいと!」
「ふざけるなー!」
モオーンから逃げつつ、距離をとって槍を投げる。
うう、まるで原始人みたいじゃないか。
当たりもせず、武器だけ無くし逃げわっていると、「戻れって思えば武器は戻ってきますよー」と呑気な掛け声。
「そ、そうだ!俺を勝手にバイトにしたのはあんただよな?ここは手本を見せて教えてくれないと……早く!踏み潰される!」
「仕方ないですねぇ」
そう言って手元が光ったと思ったら、真っ黒な鎌。
死神の持つ……鎌……
「僕の」と、大きく上に飛躍し、「名前は……」と鎌を振り構え、「アギル……です!っと。はい、終わりましたよ」
名前を言い終わると同時に、巨大なモオーンの首は落とされ、小さく縮めた鎌で太ももの肉を器用に切り、肉の塊にしている。
「じゃあ、帰りましょうかぁ。あ、これ渡しておきますね。危険だと感じたら、この丸薬を一粒飲んでください。元の古本屋の店内に戻れますから」
「先に渡せよな……」
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