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店に戻り、今度は何をするのかと思ったら、自宅にしているという二階のキッチンで、ウキウキしながら肉を切り、「ステーキにします」と焼き出す。 しかも鍋にはブロッコリー。 「ポテトもありますから。あ、ソースはどうしますー?新鮮なので、塩で食べるのも良いですし、オニオンソースでもいいですしねぇ。悩みます!」 「その前に本当に食えるのかよその肉……」 椅子に座って怪しんでいると、鉄板に乗ったモオーンステーキにブロッコリーとポテトが添えられ、パンにします?ご飯にします?と、店内で聞いた気だるそうな声とは違い、今にもぴょんぴょんと飛び跳ねそうだなと言うくらいウキウキしているというより、もう、脳内お花畑だろうと諦めて席に着く。 「召し上がれぇー」 「い、いただきます……」 ナイフとフォークをもって、そっと切るだけでスゥーっと肉が切れ、少し塩につけて口に入れると、しっかり火が通っているのに、肉汁がすごく、しかも舌でとろける……
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