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「んっふーぅ!で・り・しゃー・す」 妙なテンションで食べてはいるが、持ってきた肉はステーキ二枚分。 といっても、かなり分厚いのだが…… 「こんなにうまい肉なら、もっと持ってこれば良かったのに」 「ダメです!確かに食べれる部位は沢山ありましたが、このモオーンの肉はこの( ・・)部位が美味しいんです。命を狩り、この贅沢な部分だけと思うかもしれませんが、これが私の流儀……です!」 どんな流儀だよとその時は思ったが、夕食の魚を捕りに行った時にも二匹。 しかも、食材のこだわりがかなり強いらしく、食器まで揃えてあり、魚だからと山と畑にも連れていかれ、山菜を採り、芋掘りをさせられ、出てきた夕食は料亭か?と言うくらいの出来栄え。 「今日一日どうでしたか?」 「どうと言われても……。死神が芋堀して、山菜採って料理して。食ったから現実なんだと思うけど……なんで死神がこんなことしてんのかはサッパリわかんねー」 「いずれ、君にもわかる時がきますよ、悠一君」 (一話終)
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