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「あー、短時間の睡眠は大切ですねぇ。何してるんですかぁ?」
「結構寝てたよな?」
「電話で起きましたぁ」
そう言って髑髏シールの付いた方の携帯を見せてくる。
「リヒトさんがすぐに来いって言って来たんですよぉ。テオ君と悠一君も一緒に」
「俺、毎日死神界に行ってるんだけど体大丈夫かな」
「毎日こちらに戻ってきているので大丈夫ですよ。あ、そうだ! びわのタルトお土産に持って行きましょうかぁ。沢山作りましたし」
先程のニュースが頭をよぎったが、るんるんとキッチンに行き紙袋に詰めているので、それ程深刻な話ではないだろうと、剣がちゃんと腰に刺さってるか確認してテオの後に続いて本棚を移動させておく。
「お待たせしましたぁ。行きましょうかぁ」
するりと壁をすり抜けて付いた場所はいつもの屋上。
「建物の中に出ること出来ないのかよ」
「ここからが一番移動しやすいんですよぉ」
また飛び降りていかれると困るので、腕を引いて建物の中に入りエレベーターでリヒトの居るであろう階に降りる。
「こっちこっち。奥の応接室で待つように言われましたから」
入ってみるとテーブルに四人掛けのソファとシンプルな部屋。すでに一人来ていて、アギルの事を知っているのか無言で頭を下げているが、マルコと同じグレーの隊服なのに、口元まで覆っている。
「なぁ、隊服ってみんな違うのか?」
「個人差はあると聞いてるけど、好みには出来ねーはずだ」
コソコソと話していると、リヒトがお待たせしましたと入ってきて、座るように促される。
「急で申し訳ないです。まず、こちらの方はホルンさんです。ランクはSSですが、新しく部隊を立ち上げるのに北の通常部隊の隊長からこちらに移動してもらいました」
「えー、あの話本当だったんですかぁ? あ、これびわのタルトですぅ。お茶うけにしましょう」と早速お茶を入れだす。
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