#2 懐かしいあの味

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「物騒なこと言うな」 「怖い怖い。でも……」 パチンと死神……アギルが指を鳴らすと、警棒らしき……いや、もう警棒でいいだろう物が後ろのポケットに。 満足そうな顔をしながら、「さて、今日のお昼を取りに行きましょうか」と席を立つ。 一冊の本を扇子で叩くと、また引っ張られる感覚がして、着いた場所は草原。 メェー!とヤギの声が聞こえ、そのヤギを追いかけているのは…… 「おい、もしかしてここって」 「はいー。アルプスです。まずはヤギの乳絞りをします。ほら、こっちこっち」 ついて行くとヤギ小屋。 どこから出したのか、手袋と瓶。 「はい、搾って下さい。優しくですよー、そーっと、そーっと」 「自分でやれよ!」 「大丈夫です。危険はありませんから」 何とか瓶いっぱいに絞れたところで、蓋をしてアギルに渡すと、今度は水を汲みに行くと言う。
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