#2 懐かしいあの味

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「ヨレヨレって酷いですねぇ。これ、一張羅なんすけど……。あと、わかめ頭ってなんすか?毎月、カット1000円の床屋に行ってますよぉー?あ、着きました。見えますか?あの岩肌から出ている水」 よく見ると水が出ているには出ているが、チョロチョロっと。 またもや瓶を渡され、汲んでこいと一言。 満杯にするのにどんだけ時間かかるんだよ! 水道が欲しい…… 満杯になった瓶を渡すと、手帳を広げ、またグニャリ── コケーッコッコッコ 「鶏?」 「ええ、一羽選んでください」 「じゃあ、あのぶっくぶくに太ったやつ」 「分かりました。悠一君はこの裏の畑からじゃがいもと人参、玉ねぎ。あと、ローリエもなっていたと思うので貰ってきてください」 「この家の人知り合い?」 「いいえ?この硬貨を渡したら分けて貰えます」 硬貨を受け取り、言われた通りに野菜が欲しいことを言うと、すぐに用意してくれたのでお金を払う……が、鶏代はどうなった!
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