#1 古本屋

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「ニュースって……まさか」 「ご名答ー。お腹が空いたもんで、何か買いに行こうとしたんですけどねぇ、ほら、暑いでしょう?気がついたら運ばれてまして……。こりゃやばいと思ったんすよ。だって、死神ですから、脈とか心臓とか……意識があれば動かして誤魔化すことも出来たんですけどね?もう、暑くて暑くて」 「それで逃げたってこと?ニュースでは警察が探してるって……」 「それは大丈夫っす。朝のうちに皆さんの記憶消してきました。始末書ものですよ……」 「で、それと、俺となんの関係があるんだよ」 「この店は、妖……いわゆる、物の怪と言ったらわかりやすいですか?そんなモノ達の来る本屋なんすよ。なのに、君は二回もここに来て、僕と話をした」 「アンタがなにかしたんじゃ……」 扇子を横にフリフリとしながらパッと広げて口元を隠してはいるが、目元は笑っているようにも見える。
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