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「ありがとう、待ってる。」
「うん。」
罪悪感ももちろんあった。しかし衝動は、止まらなかった。
》 》
居酒屋に着いてすぐに会計を済ませてタクシーに夫を乗せて私は、自宅に連れ帰った。
夫の寝顔を見ながら一夜を明かした。夫の泥酔の原因の名前を知った。寝言で何度も口していたからだ。それ程まで想う相手に捨てられたのだ。傷心だろう。
付け込まない手は、なかった。
いまなら、なんでこんなに追いかけてしまったのかと・・・思う。彼女が夫の心から居なくなってから付き合うべきだった。
愚かな自分をただ嗤う。
《 《
「結婚、しよう・・・叶恋。」
「・・・・・・え?」
それは、付き合ってからちょうど1年経った日。“記念日だから”と連れて来られたレストランでこれからデザートが出てくるというタイミングだった。
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