冊子と日常

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サラッと読んだだけで、誰が書き付けをしたものなのかはわかった。 だが、このような人物がこのような書を残すのは以外。 「これは当時の記録……今で言う日記と言った所でしょうか。私も遠目にしか拝見したことの無い方ですし……。慎二の生家は山の中。昔は農業なども盛んに行われていたと考えても、この神が関わるようなことはないはず。少し慎二にもいくつか尋ねなければ行けないことがありそうです」 もう少し詳しく読み解こうと何度も読み返しているうちに眠ってしまい、朝、お腹がぐぅーっとなって起きてしまうとは初めてのことかもしれない。 とはいえまだ朝の六時。 残りのご飯とお漬物、お味噌汁と作り置きのお浸しで食事を終えてから、お金をしまっているところに辞書と冊子を仕舞い、風にご飯をあげる。 「食べたらお散歩に行きましょう。今日はどの辺まで行けるでしょうか」 ガツガツと食べながらも、綺麗にお皿を舐めてご馳走様とおすわりをしているので頭を撫で、抱っこして安全なところでおろし、歩けるだけ歩いてもらう。
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