彼女は100万円あげたいらしい

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 ***  午後の授業の始まりを告げるチャイムが鳴った。  秋風が吹いている人工芝の屋上では、ヤンキー系の3年生(とさっきの男子達)が4人でマユを囲んでいる。危ない雰囲気ではないみたいだけど……。 「100万くれるって聞いたんだけど、ホント?」 「はい」 「ならさぁ、俺らにくんない? でもマジで見返りとかいらねーの? ヤバいっしょ普通」 「ねえ。あれ止めた方がいいんじゃない?」  屋上のドアを少し開けて様子を見ていたあたしは、お付きに言ってみたが、彼は渋った。 「やっと上手くいきそうなんだぞ?」 「いいから来て!」  あたしはお付きの腕を引っ張って屋上に突入した。あんな感じの人と関わったらまずいことになるに決まっている。 「ちょっと待った。やっぱしお金をあげるのはナシで」 「はあ?」 「……と、この男が申しております」  その場にいた全員の視線がお付きに集中する。隣からきつく睨まれたが知るか。  ケチケチすんなよ、と3年生の1人がマユの肩にポスンと手を置いた。 「こっちの子がいいって言ってんだから別にいーだろ? 文句あんのか?」  
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