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午後の授業の始まりを告げるチャイムが鳴った。
秋風が吹いている人工芝の屋上では、ヤンキー系の3年生(とさっきの男子達)が4人でマユを囲んでいる。危ない雰囲気ではないみたいだけど……。
「100万くれるって聞いたんだけど、ホント?」
「はい」
「ならさぁ、俺らにくんない? でもマジで見返りとかいらねーの? ヤバいっしょ普通」
「ねえ。あれ止めた方がいいんじゃない?」
屋上のドアを少し開けて様子を見ていたあたしは、お付きに言ってみたが、彼は渋った。
「やっと上手くいきそうなんだぞ?」
「いいから来て!」
あたしはお付きの腕を引っ張って屋上に突入した。あんな感じの人と関わったらまずいことになるに決まっている。
「ちょっと待った。やっぱしお金をあげるのはナシで」
「はあ?」
「……と、この男が申しております」
その場にいた全員の視線がお付きに集中する。隣からきつく睨まれたが知るか。
ケチケチすんなよ、と3年生の1人がマユの肩にポスンと手を置いた。
「こっちの子がいいって言ってんだから別にいーだろ? 文句あんのか?」
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