彼女は100万円あげたいらしい

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 ****  次の日の朝。あたしが2年2組の教室に入ってみると……。 「……何やってんの?」 「おはようリサ。2日間みんなを驚かせちゃったみたいだから、ちょっとしたお詫びにね」  じょうろを持ったマユの後ろでは、2人の男性が緑の棒のような観葉植物を植え替えているところだった。安っぽい鉢だったのが陶器のスタイリッシュな鉢になっている。 「この人達は、グリーンコーディネーターさんと園芸アドバイザーさん。弱ってたから土も替えてもらったよ。あと、グリーンを増やした方がいいって言われたから、うちからパキラも持ってきた」  お嬢様が示した先に、ドン、と1.5メートルはある木が立っていた。大きな鉢には高級感のある幾何学模様。  ……ここ教室なんですが? 「お世話って、こういう意味じゃなかったんだけどなー」 「何?」  何でもない、とあたしは笑ってごまかした。  この調子だと、彼女が次の変なことを始めるのは、そんなに遠い未来ではないかも知れない。  
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