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「一度、姉ちゃんもしてみる?
シャーペンに、ふわふわの握りやすくしたスポンジまいて文字書いてみ?
慣れるまで結構、しんどいてよー」
なんて笑いに変えるように振舞う。
そんな瞳矢を見ているのが苦しくて。
「そんなの私もやったことないわよ。
だったら今度、
何かの書き物するときに瞳矢のペン借りてやってみるわよ。
私がすらすらーっと書けたら、
瞳矢が宿題に間に合わなかったのは瞳矢が悪いってことよねー」
なんて笑い返すように和羽姉ちゃんも切り返した。
そんな切り返しに瞳矢は、笑ってた。
僕だったら、どう言葉を返していいかわからなくて、
何も言えないまま黙ってたかもしれない。
「さっ、二人とも学校行ってきなさい。
今日は冬が帰ってこない日だから、
私も久しぶりに音羽と食事してくるから。
夕飯だけは作って出かけるから、
母さんが帰ってきたら温めて一緒に食べて」
そう言うと、
和羽姉さんは僕たちを家から送り出した。
まっすぐに駅まで向かう僕と瞳矢。
自宅の最寄駅から電車に乗って、
その後、学校まで徒歩で向かう香宮学院。
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