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駅に着くと、飛鳥が改札で僕たちを出迎えた。
「おはよー。瞳矢、真人」
「おはよう、浩樹」
「おはよう、飛鳥」
最近の三人グループが揃ったところで、
学校までの道程を三人で歩いていく。
「浩樹、ピアノは順調?」
ふいに瞳矢が何気ない感じで、
ピアノの話題をふる。
突然の話題に、一瞬、戸惑いながらも飛鳥は切り返す。
「どうだろうなー。
まだ仕上がりは甘い気がするな」
「今はまだ八月だから甘くても大丈夫だよ。
本番は十一月。
最近は、どんなレッスンをしてるの?」
「今は個人練習が中心かなー。
けど、この間珍しいやつが訪ねて来たんだ。
羽村が少し稽古つけてくれた。
稽古って言うより、きっかけを作ってくれたのかもな。
すぐに出かける用事があるとかで、
タブレット渡されてた。
その向こうには、羽村冴子だぜ。
もうテンション上がってレッスンどころじゃなかったぜ。
アイツ、本当にあの人の子供だったんだな」
テンション高めで切り返す飛鳥の言葉。
咲夜が気遣って、
飛鳥のこともフォローしてたのは知らなかった。
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