10.僕が君の指になる -真人-

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駅に着くと、飛鳥が改札で僕たちを出迎えた。 「おはよー。瞳矢、真人」 「おはよう、浩樹」 「おはよう、飛鳥」     最近の三人グループが揃ったところで、 学校までの道程を三人で歩いていく。      「浩樹、ピアノは順調?」 ふいに瞳矢が何気ない感じで、 ピアノの話題をふる。 突然の話題に、一瞬、戸惑いながらも飛鳥は切り返す。 「どうだろうなー。 まだ仕上がりは甘い気がするな」 「今はまだ八月だから甘くても大丈夫だよ。 本番は十一月。 最近は、どんなレッスンをしてるの?」 「今は個人練習が中心かなー。 けど、この間珍しいやつが訪ねて来たんだ。 羽村が少し稽古つけてくれた。 稽古って言うより、きっかけを作ってくれたのかもな。 すぐに出かける用事があるとかで、 タブレット渡されてた。 その向こうには、羽村冴子だぜ。 もうテンション上がってレッスンどころじゃなかったぜ。 アイツ、本当にあの人の子供だったんだな」 テンション高めで切り返す飛鳥の言葉。 咲夜が気遣って、 飛鳥のこともフォローしてたのは知らなかった。
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