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通話を終えて改めて目の前の“高級車”アンドロイドを確認してみると、造形が綺麗である。背も高く185センチぐらいだろうか。程よい筋肉と、顔もきらびやかと言うよりかは程よいイケメン。物凄く目立つではないが、集団の中には埋もれない爽やかイケメン。たぶんこれがオプションなしだからなのだろう。
「まあ、でっかいオモチャだと思えばいっか」
『ご主人様、ボクはオモチャではなくアンドロイドです。失礼しました。ここはオモチャだと思ってくださって正解です』
と、自分の股間を指差すその腕をペシッとはたいた。
「どーゆう会話のプログラミングされてんのよ。とりあえず、せっかくなんで2週間は置いておくから、それまでに家事を覚えてもらおうかな」
『わかりました。どんな体位でも習得可能です』
「いや違うんだって。掃除とか洗濯とかそーゆうの」
『掃除は得意です』
「うん、そっちの掃除は出番ないから。えっとじゃあアンドロイド君」
『名前で読んでください』
「名前あるの? あ、なんか番号ついてたよね」
タブレットにも“510号”と載っていた。
『それはシリアルナンバーです。名前ではありません』
「シリアルナンバー……え、ラブロボって510台もすでに出荷されてんの?!」
『男型のMで510台目のボクです。女型のFとなると、桁違いです』
「まじか……あんま、聞きたくなかった情報だな……」
なんとなくげんなりしていると裸体ロボが催促してくる。
『名前つけてくださいご主人様』
「うん、まあそうね、呼びにくいしね。……んーじゃあ、ゴトー君」
『ゴトークン』
「うん。510だからゴトー君」
『嬉しいです』
「そう? ひねりもなんもないけど」
裸体ロボ改めゴトー君は、ニッコリ笑顔を作っていた。
その笑顔は妙に可愛らしかった。
「そうだな。ペット型ロボットっていうのもアリかな。デカイけど」
『ペットプレイですね、了解しました』
「まてまてまてっ!」
先ほどまで段ボールの中に立ったまま1ミリも動かなかったのに、急に四つん這いになったゴトー君との、妙なお試し共同生活が始まった。
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