3話

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 日曜日に、何年も行ってなかったデパートに足を運び、男物のスウェットと下着、エプロンを買ってゴトー君に着させた。  今までのグレーのパッツパツでなく、ちゃんと体に合ったサイズで割りと上品な濃紺の生地とワンポイントのロゴが入っていて、爽やかイケメン度が倍率ドンッと上がった。 「うん、似合ってるね」 『ご主人様からのプレゼントですね! ボクもお返ししたいです。ボクの体を好きにしてください。もしくは無理矢理鬼畜攻め設定に変更していいですか?』 「却下」  チカはテーブルにパソコンを置いて立ち上げた。 「ゴトー君、ほらよく見てて」  画面が見えやすいようにずらしてからマウスでクリックしていく。「このサイトにログインしてから、欲しいものをこうやって選べば、宅配の着払いで好きなもの買えるよ。ただし、おこずかいの範囲内でね」  チカが見せたのは某有名スーパーが行っているネット注文宅配サービスだ。これでゴトー君が心置きなく料理の練習が出来るだろうと教えたのだ。  喜ぶかと思ったが、反応は違った。アンドロイドが喜ぶと思った自分もちょっと感覚がおかしくなってるのかも知れないが。 『ボクの欲しいものはご主人様の喜ぶ笑顔です』  アンドロイドなのだから真顔が標準装備だろうけど、そんなに真面目に見つめられてストレートに言われると、さすがにドキッとしてしまう。きっとこれも、購入者を喜ばせる為のプログラミングされた言葉なんだろうけど。 「私、割りと喜んでるよ毎日。表情が欠落してるってよく言われるから、気にしないで」 『ご主人様がボクで、阿鼻叫喚の悶絶絶頂でよがり狂い快楽堕ちして泣き叫び歓喜する笑顔を見るのが』 「いや待て。それのどこに“笑顔”要素あんのよ。ほんとどーゆう会話のプログラミングなの」  堪えきれず吹き出した。すごく久々に声にして笑った。こんなに笑うことがしんどいとは、忘れていた感覚だ。  ゴトー君はキョトンとした様子で止まっている。きっと何で笑いだしたのかわからないのだろう。 『ご主人様、まだボク挿入してませんけど』  笑い苦しみすぎて、翌朝腹筋が痛かった。
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