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が、九月に入り、俺には思うところがあった。
それで、ある日、帰りに一緒にマックに寄ったとき、みかげに訊いた。
「女にとって、ジョシリョクって大事なのか」
へ? とみかげは、何やら不満そうな目で俺をじろりと見た。
「女にとってというより、男にとってじゃないの?
キミはどうなのさ。
女子力の高い女子が好きとか、そういうのないの? あるでしょ」
しかし俺には、ジョシリョクが何なのか、そもそもよくわからない。
「それって、マフラーが作れたりする女のことを、男が好きになるだろうってこと?」
みかげは噴きそうになったのをこらえた様子で、怒ったように俺を睨む。
「何が言いたいわけ?」
「何って……もし、そうならさ」
「うん」
「俺に、マフラーの作り方を教えてください!」
俺はみかげに頭を下げた。
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