サヨナラ・カウントダウン

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サヨナラ・カウントダウン

 残り5日。サヨナラを宣告されたボクは、カウントダウンをはじめた。  今日、キミは仲のいい友達とショッピングモールに。以前から行きたいと言ってたスイーツショップ。とても嬉しそうな表情のキミ。  店内は華やかな装飾がぎっしり。キミはカメラのアプリを使ってお目当てのスイーツを撮ったり、友達を撮ったり、そして自撮りしたり。 「めっちゃ美味しくない?」 「マジでヤバイ!」友達も興奮気味。 「絶対にまた来ようねッ!」  キミは動画の録画ボタンを押して、今日という日を記録している。いつかきっと振り返る思い出として。  帰り道の空はピンク色の夕焼け。キミは再びカメラのアプリでカシャ。空の写真をたくさん撮ってることも、ボクは知ってるよ。  残り4日。今日は雨だったから、キミは一日中、動画を観たり、友達とメッセージのやり取りをしたりして時間をつぶしていた。  彼氏にフラれた友達からの連絡にキミは、親身になって相談にのってあげていたね。最終的には本人よりもワンワン泣いちゃって――とても優しいキミ。ボクはキミの近くにいられて光栄です。  残り3日。今日も雨。「暇だなぁ~」と言いながら、キミはゴロゴロしてる。適当にアプリを起動しては閉じたり、使わないアプリを削除したりして時間をつぶしていた。  お風呂に入る前には、お母さんと奇抜なメイクをして遊んでいたね。すごく楽しそうに何枚も写真を撮って。 「お母さん! 見て見て、この目元。ヤバくない?」キミは変顔して笑う。 「お母さんのほうがもっと過激よぉ?」 「ちょっと昔っぽいし!」 「うるさいわねぇ! 昔はこういうのが流行ってたのよ」お母さんも楽しそう。  こういう何気ない日常のワンシーンも、大切な思い出だね。  残り2日。気になっていたクラスメイトの男子に今日、キミは告白した。ありったけの気持ちを込めて送ったメッセージに、『俺も好きだよ』って返事。こっちまで嬉しくなっちゃったよ。  付き合うことが決まったふたり。早速デートの予定をたてて嬉しそう。でもキミは、普段使っているカレンダーアプリには予定を書き入れなかった。まぁ、そんな話はさておき、念願の彼氏ができたキミを祝福してあげたい。  舞い上がっているキミは、「あっ! 忘れてた!」と、慌ててパソコンの前に。う~んと唸ったり、首をひねったり。頭を悩ませながら作業を続ける。  思い通りに進まないのか、その作業は遅くまで続いた。
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