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【あとがき】
『風の波』を最後までお読み頂き有難うございました。今回は原点に戻って、砂に埋もれた貝殻のカケラのような、小さな心の触れあいを描こうと思いました。ちょうどパステル画の制作過程のように、硬かったラインが徐々に柔らかくなってゆく。そして最後にはいろんな色が混ざりあって一つの心象風景に仕立て上がる。そんな小品にしたかったのですが、如何だったでしょうか。
今年もウミガメの産卵シーズンには、ニュースでたくさんの元気な子ガメたちを見ました。彼らのうちのほんの一部しか大人になれないと言うのは自然の摂理とは言え切ないものです。なので、尾白先生が仰るように、母ガメの涙は本当の涙と思いたいものです。
佳月はこれからもいろんな波と向かい合って成長してゆくでしょう。子ガメのように果敢に大洋に挑み、麗華のように波に乗って、そしてやがて母なる浜へ戻ってくるかも知れません。
その時はきっと『カフェうみがめ』の心の籠ったお料理が待っているに違いありません。
この度は『風の波』をお読み頂き、有難うございました。
◆ Suzugranpa ◆
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