So long! さようなら!

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9.  嫁いでからずっと仲良しで子供達の事も可愛がってくれている義姉は 馬鹿弟でごめんね、と泣いて私に謝ってくれた。  義姉とは2~3ヶ月に一度のペースだが、子供たちだけでお泊まりに 行かせたり又私のほうで義姉の子を預かったりして細々と交流は 続けている。  子供たちも仲がいいので助かってる。  元夫は義姉ともほとんど連絡を絶っているらしい。  義姉から不倫女のことを嫁として認めて貰えないのが理由らしい。             ◇ ◇ ◇ ◇ それから6年後……  娘が中学に上がろうという年に、元夫が交通事故に遭い 入院していると連絡が入った。  もちろん私たちは見舞いにも行かなかったし、何もしなかった。  かなりの重症だったらしく後遺症が残るのは避けられず 働けるようになるのかどうかも現状では分からないらしいわ、と 義姉から連絡を貰った。  『お義姉さん、私何て言ったらいいか』  「いいのよ、遥さん言わないで!あなたたちに酷い事を して出て行った弟だもの。  お見舞いの言葉を貰えるだなんて思ってない。  ただ何も知らせないっていうのも、後で何かあって知らなかったって いうのもいけないと思ったまでの事なのよ。  気にしないで。  それと弟が働けない身体になったことをあの女がしきりに 電話して来るものだから、その辺のことも気になっちゃて 遥さんのところには何の連絡も来てない?」  『えぇ、何も……』
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