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4.
妻に里子との不倫がバレてしまった。
気をつけていたのにどうしてバレてしまったのだろう。
どうして知ったかは妻から聞いていない。
聞いてみればよかったのだが、いろいろと藪蛇になりそうで
聞くに聞けなかった。
しかし妻の遥は冷静だった。
泣きもしなければ怒りもしない。
淡々と僕に、この先どうしたいのかと、問いかけたのみ。
僕の妻は特別美人というのではないが、容姿と性格がそれは
それは素晴らしくマッチングしていて、側にいるだけで
その場にいる者が関心を持たずにはいられない特別な何かを
備えている女性なのだ。
友人、同僚、知人たちに紹介すると、必ずと言っていいほど
皆から羨ましがられたものだ。
そのような魅力を持ちながら、尚且つ共働きも厭わず家事全般こなして
くれる勤勉さも持ち合わせていて、性格も素晴らしい。
僕のシングルマザーの姉に僅かではあるが支援もしてくれている。
こんな良い妻に対して不倫などした僕は屑と言われてもしようがない。
妻にはなんの不満もなく、浮気など考えたこともなかったが
部下の里子から旦那のことでの悩みに関する相談事があり、いろいろと
相談に乗っているうち、誘われる形で深みに嵌っていったのだ。
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