娘をペットにされて……

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娘をペットにされて……

 荒ぶる気持ちを抑えながら、的場もラブホテルに入る。後ろ姿しか見えないが、硝子と男の二人はラブホテルのボタンを押して部屋を選び、中に入って行った。  的場は二人をさらに追いかけ、部屋の前に立つ。二人が105号室に入ったのを確認した。扉の前に立って二人を待ち構えたいが、廊下を進む際に監視カメラがあることに気が付いて、ドアの前にずっと立っていたらホテルの管理人に怪しまれると的場は考えた。  そこで、的場は一旦引き返し、二人が入った105号室の隣である106号室のボタンを押して部屋を借りることにした。  106号室に入った的場は、隣室の105号室側の壁に耳を当てる。ラブホテルは壁が厚いだろうから、声が聞こえないかもと心配したが、かろうじて二人の会話は僅かに耳に入った。 「つぐちゃん、好きだよ」 「私も翔様が大好き」 (相手の男の名前はショウというのか)  シャワーの音。 「つぐちゃん、しゃぶって」 「いいよぉ」 「てめぇ、人の娘に何させてんだ!?」  しかし、父親の抗議は二人には聞こえない。 「つぐちゃんは、僕のペットだ。さぁ、ペットになれて幸せと言って」 「ペットになれて幸せ……」 「殺す……!」  的場は自分の娘を犯す男に殺意を抱くと、もう我慢できなくなって部屋を飛び出し、廊下に出ると105号室のドアノブを強引に蹴破って中に入った。 「きゃあああああああああああああ!」  裸になった硝子が恐怖に顔を歪めながら叫ぶ。鬼の形相になった父が娘を怒鳴る。 「硝子!!!」 「お父さん……」  硝子は掛け布団をめくり上げて胸元を隠す。 「的場……!」  自分の名を呼ぶ声がして、的場は娘を犯していた裸の男の方へ振り向く。  的場を面接で落とした小川だった。
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