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 涼太の家は二階建てだ。お祖母ちゃんとお祖父ちゃんが住んでいるので五人暮らしだ。涼太は祖父母と仲が良い。小さいときから可愛がられて育った。  玄関を開けて「ただいま」と言う。お祖母ちゃんが和室から出て来て「おやきを焼いてあるよ」と言った。涼太はにっこり笑う。猫のミミが足にすり寄って来た。アメリカンショートヘアーで飼って三年になる猫だ。涼太は猫が好きだ。ミミの背中を撫でると「ニャー」と言って背中をのけ反らせた。そしてまた身体を擦り付けて来た。 「ミミ、ただいま」 「ニャー」  涼太は微笑んで、廊下を歩いた。この家は一階に和室とリビングとキッチンがあって二階に洋室が二つと和室がある。お祖母ちゃんは足が悪いので一階に部屋がある。お祖父ちゃんの部屋は二階だ。お父さんとお母さんは同じ場所で寝ていてその隣が涼太の個室だ。  お祖母ちゃんは足が悪いと言っても歩けないほどではない。だから近所のスーパーに行くくらい出来るのだが、買物はあまりしない。買い物はお母さんがパートの帰りに行っている。お祖母ちゃんはこうやって涼太のおやつを作るだけだ。それでもおやつが無いよりはあったほうがいい。部活のときはそれを夜食にして食べている。
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