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 涼太はキッチンのテーブルの上を見た。丸いおやきが三つ白いお皿の上に乗っている。 「美味しそうだな」 「そう?」 「ああ、これくらいならお腹がいっぱいにならないから丁度いい」  涼太はそう言ってお皿を持って二階に上った。部屋で白いTシャツにデニムを穿く。チェックのシャツを上に着た。  手を洗うため一階に戻る。うがいもしなくてはいけない。涼太は洗面所に行って自分の顔を見た。お母さんに似ている大きな目にお父さんに似ているスッとした鼻。目が垂れているのが嫌だ。真宙は同級生に人気があると言っていたが、何処がいいのか自分では分からない。  おやきを食べて時間があったので昼寝をした。部活がないときはこれが出来るから嬉しい。  六時になって目が覚めた。もうすぐお母さんが帰ってくるだろう。涼太はスマホを見た。同じクラスの明人(あきと)くんからラインが来ていた。一年生に妹がいる同級生がいると真宙に言ったがそれはこの明人だ。明人はサッカー部だ。近所に住んでいるから土曜日など帰りが同じ時間になりやすいときは帰路を共にする。今日はサッカー部が活動していたので涼太は先に帰った。結果、真宙と帰ったのだけど明人は知らないだろう。
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