90人が本棚に入れています
本棚に追加
ディープキスを終え、茉以は短いキスを智樹の赤く染まった頬に落とした。
「ね、智樹はベッドで寝るのかな? それとも、お布団?」
「ベッドだけど? 隣の部屋に……」
そこまで言って、智樹は口をつぐんだ。
そして、慌てたように早口で言った。
「いや、それはまだ早いんじゃないか? 俺たち、付き合い始めてまだ……」
「しちゃおっか、エッチ」
「茉以」
ここまで押せ押せムードになると、智樹も勘付く。
「何か、あった? 田宮との間に」
「ん。え、と。うん……」
しおれた表情でうつむいてしまった茉以に、これ以上のことを訊くのは可哀想だった。
(多分、無理に田宮が茉以のことを求めたんだ)
そして彼は、逆らえずに……。
智樹は、すっと立った。
「ベッド、こっち」
そして茉以の手を引くと、寝室へ連れて行った。
最初のコメントを投稿しよう!