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七日目の夜、これまたもの凄い大事件が起きた。
人間に戻ったのだ。
夜中に目を覚ますと、猫になっていなかった。
パジャマのサイズはピッタリ、暗くて部屋の中がよく見えない人間のまま。
猫になってないのに夜に目を覚ましたのは多分、猫生活してたころの名残なんだろう。
それはともかく、これで人間に戻れた……。
もう猫に変身することもないかもしれないけど、やっぱり人間でいるのが一番だ。
よかった、本当に良かった。
安心して気が抜けたんだろう、それとも夜中だってことも手伝ったのか、もう一度よくよく人間の体を眺めたりつねったりして感慨に浸っているうちに、私はアッサリと眠ってしまった。
……あれ、もう朝?
なんか随分眠いな……昨日は早くに寝たはずなのに、なんでだろ。
なんか変な夢を見た気がするから、そのせいかな。
変な夢って言えば、ここ一週間変な夢ばっかり見てたような気がするけど……思い出せないや。
「七実! いつまで寝て……ああ、もう起きたの。早く支度しないと学校に遅れるからね!」
「はーい。」
部屋に怒鳴り込んできたお母さんに返事をして、私はベッドから飛び降りた。
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