二日目

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「あらこんばんは。見たことない人ですねー。どちら様ですか?」 そう声をかけられたのだ。 こっちも見たことがない(まあ昨日猫になったばかりだから見たことないのも当たり前だけど)茶色い猫に。 ……っていうか何で私猫語が分かるの? 人間の言葉に直されて聞こえるけど、ちゃんと会話が出来るようにしてもらえてるみたいだ。 猫なのに猫と全然話せないのも困るし、これは助かる。 「えーっと、あの……私は……。」 うん、言葉が通じても困るね。 だって「人間です」なんて猫相手に言えないもん。 「あ、もしかして人間の方ですか?」 あっさりバレた!? 「は、はい! でも何で分かるんですか? もしかしてあなたも人間から猫になったとか?」 「私は生粋の猫ですよー。でも最近妙に猫が増えてましてね、聞いてみたら一匹が答えてくれたんです。人間だけど、夜の間だけ猫になれるって。今も町中をウロウロしてる猫の70%くらいはそういう元人間の猫だと思いますから、分からないことがあれば会った時に聞いてみるといいですよー。」 まさかの町にいる本物(ガチ)猫が三割!
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