妹の思い

「私は大丈夫だよ！

　でも、おとうさん、おかあさん、彩楓には迷惑かけちゃうね！」

私が涙をこらえて話すと母が、

「何を言っているの…

　一紗は何も気にしなくていいよ！」

と優しく言葉をかけてくれた。

私は予定通り１週間後に退院したけれど、やはり歩くことはできずに車椅子での生活になった。

私は大学にも復帰して授業を受けることができるようになったが、母に車で大学に送り迎えしてもらい、大学構内では主に彩楓に面倒を見てもらっていた。

いつものように大学構内の食堂で昼食を食べているとき私は彩楓に、

「彩楓には面倒かけちゃうね！

　ごめんね！」

と言うと、

「面倒なんてことないよ！

　私は大丈夫だよ！」

と優しく言ってくれた。

朝は彩楓と私は母の車で大学まで行ったが、帰りは彩楓はサークル活動があるため私だけ母の車で帰宅した。

ある日、私もテニスサークルの活動を見学したいと思って、彩楓と一緒にテニスサークルに顔を出した。

テニスコートの隅で見学していると監督が私に近寄ってきて、

「一紗、いつでもテニスサークルに遊びに来ていいからね！

　歓迎するよ！」

と温かい言葉をかけてくれた。