妹の思い

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私は何か物音が聞こえて少しずつ瞼を開けると白い天井が目に入ってきた。 「お姉ちゃん」 その声は彩楓の声で、私の目の前に彩楓の顔が現れた。 少しずつ意識がはっきりしてきた私は、ここは病院らしいということに気が付いた。 「一紗」 母の声も聞こえてきて、私は病院のベットの上で寝ていて、父、母、彩楓がベットの脇に立って私の顔を覗き込んでいるようだった。 少しすると医師らしい人が来て私の状態を診て、父と母に何か話しているようだった。 私は体中を包帯のようなもので巻かれているようで、腕に点滴、口に酸素吸入器が装着されていて身動きがとれない状況だった。 私は自分がどのような状態になっていて、これからどうなるのだろうかと、不安な気持ちでいっぱいになった。 その後私は入院生活を送ることになって、私の体は少しずつ動くようになっていった。 入院して1ヶ月もすると私はだいぶ身動きがとれるようになったけれど、歩くことはなかなかできない状態で、病院内を移動するときは車椅子の生活になった。 リハビリにも一生懸命取り組んだけれど、足は思うように動かなかった。 ある日、病院に父、母、彩楓が来て、私はベットの上で起き上がっていたけれど、父が神妙な面持ちで私に思いがけないことを話してくれた。 「一紗、落ち着いて聞いてほしい。  一紗は脊髄を損傷していることは前にも話したけれど、この脊髄の損傷は完治するのは難しいとお医者様から言われたんだよ!  もう以前のように普通に歩くことは、難しいようなんだ!」 父は話し終わると悲しそうに私の顔をじっと見つめていた。 私は何も考えられないような状態になったけれど、何故か目から涙が溢れ出してきた。 「一紗、あと1週間ほどで退院できるそうよ!」 母が私に言葉をかけてくれた。 彩楓も涙をこぼして泣いているようだった。
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