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翌日、私はいつものように大学の授業が終わると母に大学まで車で迎えに来てもらって帰宅した。
その日は彩楓がいつもの時間に帰ってこないので母が心配してると、21時を過ぎた頃彩楓が帰宅した。
「ただいま!」
彩楓が帰ったので母が玄関まで迎えに行って、
「おかえり!
今日は遅かったのね?」
と聞くと彩楓が、
「今日はテニスサークルの練習が長引いたんだよ!」
と話していた。
その翌日以降も彩楓の帰りは遅かった。
1ヶ月程すると、朝彩楓は私と一緒に母の車で大学に通学することはなくなり、私よりも早く大学に行くようになった。
朝私を乗せた車が大学に到着すると、彩楓は大学の正門まで迎えに来てくれた。
彩楓はテニスの練習に集中するようになって、朝早くから朝練、そして夜も遅くまで練習をしているようだった。
私が彩楓のことを心配して、
「テニスの練習頑張っているの?
少しは体を休めないと、怪我をしたり病気になったら意味ないからね!」
と言うと、彩楓は素直に聞いてくれた。
しかし、彩楓が休んでいるようには見えなかった。
このような生活が1年以上続いて夏の暑さが和らいだ頃、彩楓から報告があった。
「お姉ちゃん、私全日本テニス選手権大会に出場することにしたよ!」
私はうすうす感じていたが、彩楓の態度は真剣そのものだった。
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