高校1年、デビュー失敗

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高校1年、デビュー失敗

僕は東矢一人(とうやひとり)。 これからするお話は、僕が新谷坂(にやさか)高校に入学してからの、だいたい3年間の話だ。 僕は今から、僕が開いた怪異の扉の後始末をしようと思ってる。 だから最後の記念にこれまでの思い出を書き記す。 最初の話は・・・やっぱり扉を開いたところから始めよう。 入学当初の4月末。 末井來々緒(まついななお)さんっていう同級生と深夜に新谷坂山に登ったのが全ての始まり。 僕らはそこで、小さな怪異と知り合い、新谷坂山の深奥にたどり着くことになった。 結局のところ、どうすればよかったのかはよくわからない。でも、何もしなければ僕はものすごく後悔したと思う。だから、選択に悔いはない。 この話みたいに、僕が扉を開いたことで助けられたことも、開いたからこそ出会えた友達もいる。けれどもこの数年間で想像のできないような恐ろしいことや悲しい事件もいっぱいあった。変わらないことも、変わりすぎたこともたくさんあった。 このお話がどんな結末になるかはまだわからないけど、僕の友達みたいに、前向きでいたいと思ってる。 誰かが僕のことを覚えてくれていることを願って。
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