口だけ女と夜食をともに

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女の子は、お母さんと一緒にかなり前にこの山に封印されたけど、しばらく前に女の子だけ外に出たらしい。でも、戻り方はわからなくて、ずっとこの山のあたりにいた。 封印されたときのことはよく覚えていないけど、神社のほうから何かがやってきて、気が付いたら封印されていたようだ。封印されている間の記憶はあまりなくて、結構長い時間だと思うけど、よくわからないって。 直接は詳しくは聞けなかったけど、人とか動くものがいると無意識に襲い掛かってしまうようで、野犬被害っていうのは多分この子の仕業だと思う。恐怖が少し、帰ってきた。 それから、女の子はこの神社の中には入れないらしい。 そこで、僕は、あれ? と思う。 「ねぇ、神社の中に入れないってことだけど、君が封印から出た時はここの神社から出たんじゃないの?」 少し考えるような間ののち、女の子の声が聞こえる。 「私が出たのは、もっと山の下のほう。でもどこかはもうわからないな。私は神社の中には全然入れないし、ここから出たわけじゃないと思う……」 そうすると、封印はもっとふもとのほうにあるんだろうか。でもふもとといったって山の外周なわけで、手当たり次第に探すわけにはいかないし。 「あれ? 私、昔えらい人がここで悪いものを、あっごめん、とにかくここで封印したからここに神社ができたって聞いたんだけど」 「封印はふもとと神社と2つあるのかな。お母さんはふもとのほうにいる?」 「……ううん、よくわからないけど、お母さんは神社の中にいる気がするの」
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