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ナナオさんの情報はこうだ。
何十年か前、新谷坂に住宅地を作ろうとして山を削ろうとしたら、『なんかよくわかんないけど』悪いことがいっぱいあったらしい。
でも、それよりずっと前の戦前にも新谷坂山にトンネルを掘る話があって、そのときも『なんかよくわかんないけど』悪いことがあったから中止になったんだって。
で、もともと新谷坂山はいい山で、昔えらい人が超悪いものをたくさん封印して、その後も悪いことがおこんないように見守る山だったんだって。
そんで、今でも山頂の新谷坂神社のあたりはパワースポットになってるの。
だから、下手に山を削ろうとすると、『なんかよくわかんない』けど悪いことが起こるんだって。
ナナオさんのお話は『なんかよくわかんない』が多くて要領を得ないけど、おおよその話はわかった。
神津は戦前から栄えていた街だけど、新谷坂近辺は昭和の始め、戦後から開発が始まった。
もともと新谷坂自体は戦前は田舎で、田んぼと多少お金持ちの別荘地があるだけだったけど、そこに資本をつぎ込んで神津市と隣市のベッドタウンとして作られたのが新谷坂町。
現在の新谷坂町は完全に平地部分にあるけれども、もともとは山まで開発しようという計画があった。けれども、山裾の工事に着手すると悪いことが起こった。
もともと新谷坂山は霊験あらたかな山で過去に悪いものが封印され、その後も鎮守の役割を担っていた。けれども開発工事のせいで封印が解けるのを防止するために、神様かなにかがやめさせようとして悪いことを起こしてた、ってことかな。
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