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飛行機が好きだ。
もちろん乗ってどこかに旅行に行くのも楽しい。
ポン、というランプの点灯音、滑走路を走り始める時の体の違和感、飛行機への搭乗は非日常体験への入り口とも言える。
だがそれ以上に好きなことがある。
それは、外出中に空のどこか、視界の端に飛行機が映ることだ。
見上げてじっくり観察するのも良いが、やはり視界に入るか入らないかのところで飛行機を認識していたい。
飛行機には沢山の人が乗っていて、それぞれが想像もできないような物語を抱えている。
自分とは違う物語が沢山、空を運ばれてどこか遠くに行こうとしている。
その事実を視界の端に捉え、程よいバランスで自分の生活に刺激を与えてくれる。
だから私は飛行機を見つけると、視線を向けずにただ同じ空間にいることを楽しんでいた。
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