傘、はじめました。

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久々に、同僚と外でランチをした。 新卒の同期で入社した彼女とは、いつも一緒に社食を食べながら、他愛もない話ができるようなそんな仲だった。 「ねえ、最近寝てる?」 「え、なんで?」 「なんでって…そのクマだよ」 同僚がパスタを食べながら顎をくいっとあげて、私のクマを指摘した。 「え、そんなひどいかなあ」 「うーん、他の人は気づかないかもしれないけど、なんか最近アンタやつれてる気がする」 「えー!」 歯に衣着せぬ同僚の言い方に大げさに笑って見せたが、確かに最近、どうも調子がでない。 朝起きても寝た気がしないし、なにより疲れが取れないのだ。 「アラサーだからじゃない?」 同僚の物言いにカフェラテを吹き出しそうになる。 しばらく談笑していたが、昼休憩もあと15分ということで店を後にした。 「この距離で日傘?」 私がいつもの習慣で傘をさすと、同僚が少し訝しげな顔で尋ねた。 「そうなんだよね、うーんと」 同僚には、言ってみてもいいかもしれない。 「実はね」
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