傘、はじめました。

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私はこれまでの経緯を、かいつまんで同僚に話した。 同僚は終始笑って「大丈夫かよ〜」と言っていた。 そりゃあ、こんな話信じてもらえないよな。 「じゃあ…見てみる?」 私は同僚の反対側に傘を傾けて、同僚から内側が見えるようにした。 飛行機はちょうど真正面の見やすい位置を飛んでいるところだった。 しばらく傘の内側をぐるりと見まわした同僚が口を開く。 「え…どれ?」 「え?これだよ」 私は今もまだ正面を漂っていた飛行機を指差した。 「え……ほんとに大丈夫かよ〜」 一瞬間を置いた同僚が笑い出した。 「なにもないって!ほんとに寝な!帰ったら速攻寝るんだよ?」 それを聞いて、私は引きつった笑いしかできなかった。 私にしか見えない…? どういうこと? 飛行機は悠々とパステルブルーの傘を飛んでいた。
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