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わけがわからない。
私が今見ているのはなんだろう。
いや、鳥だ、それはわかるのだけど。
本当に小さな点だ、虫と見間違えるのも仕方ないくらいの小さな黒い鳥が傘の内側を飛んでいる。
どういうことなんだ。わからない。
けど。
なんだか、胸がどきどきと高鳴るのを感じていた。
目は鳥の動く絵柄から離せなかった。
鳥は傘の内側を羽ばたきながら大きく飛び回り、やがて傘の淵まで行って消えてしまった。
正直、今起こった事が不可解過ぎてついていけない。
私はベッドと傘の間にぺたんと座っていた。
不可解で、気味が悪い、けど。
「面白い…」
どうしてなのか、私はこの傘を使うのをやめなかった。
この時やめていれば、違った未来があったのかもしれない。
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