駐車がしやすいアパート

フローリングの床はつやつやと輝いている。
安定の１２帖。広い。事前にネットで見た写真通りだ。

「広ーい！」

小島久美(くみ)は顔を輝かせてリビングを眺めた。開放感から思わず窓の方まで駆け寄り、外の景色も眺める。

「景色、いいでしょう」

内見に連れてきてくれた不動産会社の営業マン・洲藻(すも)がにこやかに言う。

「はい！しかもイオンの駐車場が見えますね。空き状況を確認してから買い物に行けそう」

この部屋は7階建てマンションの最上階だ。イオンの屋上駐車場も上から見える。
周りの店や住宅もよく見渡せて、遠くの山も見える。

「洲藻さん、この部屋って湿気はどうですか？梅雨はジメジメしてるとか…」

久美は振り返って洲藻に尋ねた。

「日当たりはけっこう良いので、湿気は問題ないと思いますよ。ま、梅雨はその時期なりの湿気もあるかもしれませんが」

ニコニコと笑顔を絶やさず、洲藻は答えた。

「ですよね」

その笑顔につられて、久美も笑う。