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でもさあ、メイ。いくら僕が一流の男だからって、僕の愛を試すような行為はやめてくれ。僕の一番はメイだと、朝も昼も夕も声を大にして伝えているじゃないか。そのたびにメイは少し困ったような顔をして、「静かにしてね」と苦笑するね。僕はそれを照れ隠しだと思っていたけれど、実は違ったのだろうか。メイは僕に愛されている自信がなくて、だからミツダなどといううだつの上がらないような男を引き合いに出し、僕の反応を伺っているのだろう。
なんたる不毛! なんたる無益! メイが心配することなんて万に一つもないんだよ。僕はメイが好きだ。僕の気持ちを試そうと、その気もない男をけしかける小悪魔な部分も含めて大好き。だからさ、メイを泣かせるミツダなんて、くしゃくしゃに丸めてゴミ箱に捨てちゃおうよ。
「メイ。あんなもやしみたいな男はやめておけ。比べるまでもなく、僕の方が圧倒的にナイスガイだ。僕がずっとメイの傍にいるから、何も心配しなくていいんだよ」
リビングの椅子に座ってしくしく泣くメイに声をかける。本当は傍に寄って、自慢の肉体をメイに擦りつけたかったけれど、どういうわけか数日前から身体が思うように動かなかった。
びくん、と顔を上げたメイが近づいてくる。ふかふかのマットの上に横たわる僕の傍に膝を突き、メイがにっこりと笑う。弓形にしなる目元は赤い。
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