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終焉への道
西暦20xx年。
全世界を少しずつ蝕み始めた疾病は、ある臨界点を境に世界中を席巻し、治療方法が確立されないまま人類だけを飲み尽くした。今や、全世界の人口は最盛期の10分の1まで減っていた。
アフリカ大陸、オーストラリア、アジアはこの疾病の影響で人口が壊滅的に減った。アメリカ、南米、中央アジア、東ヨーロッパのごく一部ではまだ都市機能が動いていたが、それもそう遠くない未来に機能しなくなることが予見された。
各国の首脳は協力し合い、人種、宗教の壁を超えて人類の生き残りを全世界の核シェルターに分散させて避難させた。
その作戦に意を唱えるものも多かった。もしシェルター内で病気が発生したら、その場所が壊滅する可能性が高い。だが、人類に残された時間は少なかった。
世界各地に秘密裏に作られていた核戦争対応のシェルターは、疾病対策センターに作り替えられ、地下奥深くのこの場所に健康な「生き残り」が集められ、病気の対策と人類の命をつなぐ研究が始まった。
各シェルターにはアンドロイド達が「お世話係」として配置された。
彼らは肌の色や宗教、性別や年齢に左右されないので、誰に対しても差別や偏見なく世話をした。
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