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黒の始まり
「鈴華ちゃん!ちょっとここ教えてくれない?」
算数の授業中。先生が出張で代わりに配られたプリントの問題を解いていると、斜め後ろの席の女の子が私に声をかけてきた。
「うんいいよ!どこ?」
小学6年生の私にとって、算数は得意教科だった。
基本どの教科も得意で、単元が終わるごとにやるテストは必ず90点以上はとっていた。
体育も好きだった。
50メートル走ではいつも8秒ぐらいで、運動会ではいつも選抜リレーに出ていたほどだ。
つまり私は優等生だった。
親友もいた、朱里と美奈だ。
2人は優しくていつも仲良くしてくれる。私にとっての大親友だった…
女の子は私の目の前に問題の書いてあるプリントを突き出した。
分数の割り算だ
なんでこんなに簡単な問題が解けないのだろうか?
私はそう思いながらも丁寧に紙に書いて教えた。
「ありがとう」
そう言った女の子は、私が苦手な子だ。
名前はゆずか
5年生で初めて同じクラスになって、私がノリを忘れた時に貸してくれた。
それから仲良くするようにしてたんだっけ
ゆずかが私から朱里と美奈を取ろうとしてる事を知ったのは、6年になってからだった。
2人はそんなことも知らずに近ずいてくるゆずかと仲良くし始めた。
私はそれが嫌で、
「ゆずかと仲良くしないで」と言ったんだ。
2人は私が嫉妬ばかりするめんどくさいって思ったんだろうね、関係は崩れていったよ。
今になると、なんであんなこと言ってしまったのか…自分がすごく憎たらしい。
早く中学生になりたい
そう思ったよ…
中学生になれば他の学校から入ってくる子もいるし、グループもなくなると思っていた。
他の子とも差をつけられるし、楽しそう!
そう思っていた自分を私は恨みます。
中学校なんて楽しくなかった
グループは無くならないし、むしろ部活関係でもっと強い絆ができてる気がする。
差をつけられるって、逆に私が差をつけられてるじゃん。
他の学校の子なんて、うるさい子ばっかりだった
音が大きすぎる…
私はしょっちゅう頭が痛くなるようになった
もともと頭痛もちだったせいもあるのだろう
親友はもちろんいなくなったよ
もう
もう
学校に行きたくない
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