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まーた2人とも喧嘩したらしい。俺は空気も読めるイケメンだからそっとそのまま家を出た。
家を出るともう8時30分。
「まじかよ…」と慌てて自転車を走らせる。俺ん家は綾瀬駅前にある。そこから荒川沿いに出て千住新橋を渡ったらあとは一本道。しばらく自転車を走らせると左手に学校があるんだ。あーまた赤センに怒鳴られるなーと思いながら千住新橋を渡る。
しかし俺はある場所で止まった。
このまま真っ直ぐいけば学校なのだが、なぜか右の小道が気になって仕方ない。右の小道は明らかに遠回りだが…。少し悩んだ末どうせ遅刻だしと思い右の小道へ自転車を走らせた。
なんだろうこの小道、普通の住宅街のはずなのに妙に懐かしくて愛おしい。中学校も小学校も駅も真反対だからこっちなんてほとんど来たことないはずなのに。
そしてしばらく進むと
「?!」
そこには沢山のお供えとお花。そして微かにする鉄の臭い。
俺はきゅーっと胸が苦しくなった。
(な、なんなんだよこれ…)
余りにも苦しくて切なくてUターン。少しでもその場から離れようと必死に自転車を走らせていると、いつの間にか学校の目の前に出てきていた。
「はへ?」
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