また来て

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次の日。 ドンというけたたましい音で目が覚めた。 「いったぁ」 純が、部屋の何も無いところでコケたようだ。 アホなのかな。 「おはよう、大丈夫?」 「お、健志起きた!恥ずかしいところ見られちゃった」 すぐに立ち上がり人懐っこい笑顔を向けてくる。 今の俺にはそれが眩しすぎた。 よく見ると純はスーツを着ている。 「社会人…?」 「そ!まだ1年目だけどね」 ふーんといい、俺は大事なことを思い出す。 「あ…今日一限…」 「えー、サボっちゃえばー?」 純はいたずらをしかけた子供のようににししと笑う。 「俺が大学生のころはよくサボってたよー」 「…俺医学部だから…ちょっとサボるとかなりまずい」 「医学部?!」 「うん」 「すごー…。頭も良くて美青年とか…。羨ましいぞコノヤロウ!」 そういい俺の両ほっぺを引っ張り出す。 「…いひゃい…」 「あーあー顔がいい顔がいい!はぁ、神様はなんて不公平なんだ…」 この人は…勝手に落ち込んでいる…。 まあ高志を顔を見ていればわかる、同じ顔の俺もきっとそう見られてるんだろうなってなんとなくは思ってた。まあだからといってあまりいい思いはしなかった。中高は男子校だったし。 「…もう出なくていいの…?」 「ん、そろそろかな。健志の方こそ一限でしょ?大学どこなの?」 「本郷三丁目…」 「本郷三丁目の大学って…ええ?!ま、まさか…東大?!え、東大の医学部?!」 「…まあ」 「かあー…イケメンで高学歴…許すまじ…」 今度はうずくまり何か言っている。忙しい人だなあ。 「純は、勤務先どこなの?」 「ん?俺はね、南千住にある保険会社で営業やってるよ」 そう言うと、スーツをビシッと引っ張りドヤ顔を決めてきた。 「…へー」 「反応薄っ」 「それより、時間やばくないか?」 「あ!ほんとだ、そろそろ行くわ」 純は玄関に向かった。 すると、何かが俺の方に飛んできた。 それをキャッチすると、カギだった。 「…なにこれ」 「それここのスペアキー。あげるよ」 「え、でも」 「自殺するくらいならここ来て」 「…!」 そういい純は出ていった。 「…バレてたのか」
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