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 あの、校長である。前回、オレらに魔法のギターと称してボロボロの学校の備品のクラシックギターを渡したあの老人・・・実は新しい校長だった、と言うエピソードについては、前回を参照してほしい。その時、見事なスパニッシュギターを披露したのだったが・・・。 「校長も仲間に入りたいんでしょ?」と、キィ子。  校長はモジモジ恥ずかしそうにしているが、その手にはしっかりとギターのケース・・・ギブソンのケースを携えていた。美人のキィ子はともかく、校長までいたら、やりにくくってしょうがない・・・絶対ダメだ、却下だ! 「わあ、335ですね!弾いてみてくださいよ!」と、M。  Mよ、それじゃメンバー入りを認めたってことじゃあないか!  校長はいそいそとギターを出して、Eのマイナーブルースを弾き始めた。あれ、いいじゃん。渋い・・・大人の魅力だねぇ。しょうがなくオレはベースで合わせてやる。Mとキィ子もブルーノートで応じる。なんか、いい感じじゃん?  ベースを弾きながらオレは思った。バンドはできた。でも、オレにとってバンドとは、エアロスミスみたいなものなのだ。中二病の男子が、ワイワイやるものなのだ。  小学生みたいな超絶ラテンジャズドラマー(かわいい生足付き!)と厳しい音楽教師(でも、顔は美人!)、そして校長先生(そもそもオレらを音楽に導いた謎の老人)・・・はたしてオレとMが求めていたのは、こんなバンドだっけ?  まあ、いっか・・・。 〜終わり〜 Mに捧ぐ
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