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オレらの学校には吹奏楽部、ブラバンってやつがある。音楽室の隣に部室があって、だいたいその近くの校庭の隅でぷーぷー練習している。
カッカッカッカッ・・・どこからか、メトロノームの音が聞こえる。だいたいBPM120くらい?それに合わせてタンタントントン、タンタントントン、スティックで叩く音が聞こえる。ダブルストロークだ。部員のパーカッションが練習しているんだろう。最初は4分音符、それからタタトトタタトト、8分音符、それからタタトトタタトト、タタトトタタトト、16分音符・・・で、タタトタトトタト、タタトタトトタト、パラディドゥルってやつ?そして、タトトタタト、タトトタタト、6連符だ・・・おおお!ムッチャうまいじゃん。
オレとMは顔を見合わせた。
「ちょっと見てくる」
オレはベースをMにあずけ、そのパーカッション部員を見に行った。もちろん、イケてるやつだったらドラマーにリクルートするつもり。だが、おっとっと・・・オレは、そのままMのところに戻ってきた。
「どんなやつだったの?」と、M。
「やつじゃないし・・・」
「?」
「女子だった。しかも、まるで小学生みたい。多分、まだ1年生だよ」
「そうなん?それにしちゃうまいね」
「小学校からブラバンにいたんじゃね?でも、ロックバンドのドラムって感じじゃない」
「男子はいないのかな?」
「男子は肺活量があるってことで、全員金管楽器に回されてるんじゃね?」
「女子じゃなぁ・・・バンドってドラムで決まるからね」
「同感」
いつのまにかメトロノームの音は止まっていた。
「やっぱ、キィ子に相談するしかないか」
で、オレらは音楽室に行くことにした。
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