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 音楽室でキィ子に、ギターとベースを手に入れたこと、バンドをしようと思っていること、オレがベースをすることになったけど、ドラムのあてがないこと、などなど相談した。 「ドラマーねぇ・・・バンドってドラムで決まるからねぇ」  さすがキィ子、わかってらっしゃる!  と、隣のブラバンの部室からメトロノームの音、そして、マリンバの音が聞こえてきた。音階の練習をしているのだが、これがまた驚異的な速さと正確さだ。どう考えても中学生レベルではない。ブラバンはもしかしたら天才の宝庫なのか? 「あ、そうそう・・・いい候補がいるわ!」  キィ子はそう言うと、席を立ち、ブラバンの部室に入った。どう考えてもあのマリンバのことだろう。しばらくするとキィ子が戻ってきた。手招きしたので、オレらは部室に入った。  でっかいマリンバの前には、それに隠れるような超小柄な女子・・・さっき校庭でメトロノームで練習していた、まるで小学生みたいな女子が立っていた。 「この子ですか?」と、オレ。  女子はモジモジしていたが、Mに気づく。 「あ!Mセンパイ!!!」と、瞬時に目がハートになる。  Mは、ちょっと会釈する。だが、どう見てもロックバンドのドラマーって雰囲気ではないので、がっかり感は否めない。 「ちょっとドラム叩いてみせて」と、キィ子。
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