narcotic

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「ずっと前から好きでした、俺と付き合ってください」 今は昼休みの屋上。 私、赤羽 千秋(アカバネ チアキ)、高校1年生だ。 おでこの古傷を隠すための目が隠れるほどの長くて重い前髪に三つ編みにメガネという地味な見た目、そして極め付きに根暗な性格から皆からは地味子とよばれている。 そして今目の前にいるのは王子 晴輝(オウジ ハルキ)、同じクラスだ。 イケメンでしかもサッカー部で期待の新人と言われ、おまけに成績は学年トップ。 その名の通り王子様のようだとよく言われているのを聞く。 つまり、みんなの人気者だ。 そう、今私はそんなキラッキライケメンくんに告白されている。 でも…こんなキラキラした人が私なんかに告白してくるはずがない。 絶対何かの罰ゲームだろう。 「ごめんなさい、無理です」 とだけ言ってその場を去った 「あっ、待って!」 突然腕を掴まれた。 「気が向いたらでいいんだ、ここに連絡して」 連絡先が書かれた紙切れを渡された。 仕方なくそれを持って今度こそその場を去った。 確証が持てないから「何かの罰ゲーム?」なんて聞けない。
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