104人が本棚に入れています
本棚に追加
悲鳴
短い悲鳴で目が覚めた。
そこは洋室で、一面白いシーツの大きなベッドに、頭上で両手首に手錠をかけて拘束されていた。
白いタンクトップとグレーの黒いボクサーパンツ姿の自分を見る。
壁側にキングサイズのベッドと、となりにソファ、その前に大型テレビとごく普通の部屋だった。
どれくらいたったのか時間の感覚がない。
とりあえず今は生かされている。これから何が起きるのか、あまり考えたくない。
目を閉じて絶望のため息をつくと、静かにドアが開いてアシンメトリーなデザインのグレーの光沢のあるパジャマ姿の遠山が入ってきた。
「ご機嫌いかが」
探るような目で自分を見ながら枕元に座る遠山を、怯えた目で見返す。
「バスルームで倒れて、3時間くらいたったか」
状況を把握していないナナにご丁寧に説明してくれた。
だがそんなことはどうでもいい。
遠山の細い指がナナの頬をすべる。
「綺麗な顔だ」
そこに爪をたてて傷をつけた。
「いっ…」
頬をつたって流れる血を、遠山が舐める。
ナナを拘束している手錠がガチャガチャと鳴る。手首にはめて何か重いものでおさえている感覚があった。
「男とするのは初めてか?」
「当たり前だろ!」
非常識な言葉にようやくナナが反撃の一言を吐く。
「でもさっきバスルームでほぐした時簡単に指は入ったぞ」
下衆な笑みを浮かべて遠山は信じられないことを言った。
「意識がなかったからかもしれないな」
遠山は羞恥で動けないナナの下着を乱暴に剥ぎ取り、指を2本強引に入れてきた。
「いっ、痛…!ああ!」
「こうでなくちゃ」
激痛で苦しげに眉間にしわを寄せるナナを見て、雄の本能が目覚めたのか遠山の表情が恐ろしい笑顔になった。
わざとだろう、乱暴に中をかきまわす。
すぐに赤い血が流れてきて部屋は鉄の臭いが充満した。
「やめろ!‥やめ‥って!!」
大きく開かれた足を閉じようと抵抗するが、間にいる遠山が邪魔で動けない。
「もっと叫べ」
うれしそうに呟きながら、タンクトップの上から乳首を甘噛してくる。
それは不思議と気持ちよかった。
遠山の黒い前髪が服をすべって、それもナナの快感を誘う。
「‥うっ、…ん」
自分の反応を否定するように、ナナは首をふった。
白いシーツに点々と赤い印が増えていく。
「もう…やだ…‥」
ナナのすすり泣きは遠山を興奮させるだけだった。
「これでも優しくしてるんだけど」
ふくらんだ胸の突起を口に含みながら話されて、歯の微妙な刺激にナナは体をくねらせる。
「気持ちいい?」
わざとなのか、意地悪な質問をしてくる。
「そんなわけな…、ああっ!」
ぐり、と穴を指でえぐられて短い悲鳴をあげた。
喉が痛くなるくらい大きな悲鳴をあげ続けて声がかすれてくる。
不意に遠山が指を抜いた。
終わったのかと期待したナナはすぐまた絶望に叩き落とされる。
遠山が手にしていたものは、見たこともない太いバイブだった。
着ていたものを脱ぎ捨てて、ナナのタンクトップを破り、ローションを塗ったそれを勢いよく突っ込んだ。
「‥あああっ!!や‥、痛っ…やめ…!て‥」
「足りないな」
電子音が聞こえて、バイブは中で不規則な動きを始める。
「もっと叫べナナ」
痛みで白いふとももがびくびくと跳ねる。
「もっと泣き叫べ!俺を悦ばせろ」
いつの間にか照明を落とした薄暗い部屋にナナの悲鳴が響く。
こんな日が続くなら早くあの土の中に埋められたい、そう思いながら自分の血の臭いに吐き気がした。
最初のコメントを投稿しよう!