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プロローグ
-知ってる?
昨日、ここの卒業生が死んだんだって。
……え?”先生”も、ここの卒業生だって言ってた。
まさか……。違うよね?先生。
「そういえばさあ、ののちゃん。」
「……え?」
ふいに声をかけられて、振り向く。
その瞬間、振り向かなければよかったと思った。
そのいつもの嘲笑うような笑みと、同級生が発した言葉に、私は絶望した。
「私見たことあるんだよね。ののちゃんが、その死んだっていう男の人と、一緒にいたところ。かなり仲がよさそうだったけど。あの人がいなくなったら、もう縋る人もいなくなって生きていけないんじゃない?」
「……っ」
……先生。
大丈夫だよって言ってくれたのに。
私は先生がいたから今まで頑張ってこれたのに。
どうして?
どうして私より先に逝っちゃったの?
私に、死ぬなって言ってくれたのは先生でしょう……?
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