春 

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「(雪国、かなり今日はキテたな。まあ・・・無理もないか)」 昭宏と雪国に血のつながりはないが、様々な事情がありもう6年ほど一緒に暮らしている。 昭宏は大学教授の講師を掛け持ちしていて、出張で家を空けることが多かった。そのため主に家事は雪国が引き受けている。 昭宏が家にいる時は分担して家事をやることにしている。今日は雪国が食事担当だったが、いつも家にいるはずの時間にいなかった。 メッセージを入れても返答がなく、とりあえず簡単な料理を作って待っていたが、先程帰ってきた時の様子は明らかにおかしかった。 独り身の昭宏にとって赤の他人とひとつ屋根の下で暮らすことは初めての経験だった。 ましてや雪国は「普通の子供」ではなかったので、大変に手を焼いた。 一緒に暮らし始めた当初は、理由もわからず癇癪を起こしたり、外に出ていったまま一晩中帰ってこず街を探し回る羽目になったり、不良と喧嘩して傷だらけで帰ってくるなどしょっちゅうだった。 だが、時を重ねるにつれ少しずつわかってきたことがある。 雪国は非常に聡明で、人一倍繊細で、そしてひどく感傷的で、脆い。 その儚さを、自分を蔑ろにすることでひた隠しにしているように見えた。 6年も一緒に暮らせば、良い面も悪い面も、そして秘められた面も、自ずとわかる。 「(・・・今夜は冷えるな)」 真夜中。 ドアがカチャ、と開く。 先程まで読書をしていてまだ目は冴えていたので、驚きはしなかった。 視線だけそちらへやると、ドアの前に人影が立っている。 影はこちらにゆっくり近づいてくる。窓から差し込む月明かりが映し出したのは、雪国だった。 昭宏は上半身を起こし、手を差し伸べる。 「おいで」 大人しく側に座った雪国を、優しく抱きすくめる。まるで壊れ物を扱うかのように。 金の髪の匂いをすうっと鼻から吸いこむ。同じシャンプーを使っているはずなのに、雪国からは甘い香りがする気がして、くらっとする。 その頬を撫でると、涙で濡れていて、大きな青い瞳は虚ろに濁っていた。 「可哀想に。辛かっただろう」 涙にしっとり濡れた長い睫毛、透き通る金の髪、小さくふっくらとした唇。 全てが美しく、狂おしく、愛おしく、そして儚い存在。 そんな存在がいま、自分の腕の中で小さく震えている。 その唇にそっと口付ける。舌で軽く触れると、わずかに体が弛む。 「・・・んっ」 息が漏れたところに、舌を入れる。雪国の口内を犯すように、小さな歯を撫で、舌を絡ませる。 「んぅっ・・・ふ・・・」 そのままベッドにゆっくり押し倒す。雪国は抵抗することなく、素直に受け入れる。 スウェットに手を入れて小さな胸の突起をつまむと、ピクっと小さく身体が跳ねた。 ねっとり絡ませる唇から、唾液がこぼれる。 「んっ・・・ん・・・ふぁ」 唇を離すと、とろんとこちらを見つめる雪国の表情で、心が乱される。 ばっとスウェットを捲ると、細くて真っ白な肢体に、ぷくっと膨らんだ二つの突起が露わになる。 「っ・・・あ、!や、だ・・・」 左の突起を舐めると、普段からは想像できないような甘い声を出す。 焦らすように突起の周りをゆっくりと舌でなぞってやると、雪国の息はだんだん荒くなってくる。 「ゃ、・・・も・・・やめ・・・」 「ヤダ?なら止める?」 下半身に手を伸ばすと、すでに布越しに固くなっていた。 雪国は顔を覆い、恥ずかしげに声を漏らす。 「だ・・・め・・・」 「ダメじゃないだろ?」
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